日本の神社の中で最も多く祀られているのは、稲荷大明神といわれています。お稲荷さまのことを論ずれば、それだけで一冊の本ができ上がる程です。しかし、このお稲荷さまほど誤解されている神様はいないかもしれません。曰く、狐の神様。曰く、現世利益の俗な神様。しかし、それはお稲荷大明神の大きな姿の一端を示すだけに過ぎない。群盲象をなでるが如く、稲荷神の存在は大きいのです。
稲荷、つまり「イナリ」の語源は「イネナリ」であるのだ。「稲也り」なのだ。では稲「イネ」とは何か?「イノチノネ」 「生命の根」の略である。イネナリ生する米は、生命の根から生じた果実である。このイネ、コメを食して人間はその身体を維持し、生命を発現するのである。コメとは、人間も最も大切な生命の発現する為の、神様からの下さりものです。