神棚に供えられているもの。米、塩、水について考えてみましょう。
先ずは「お米」から。米は単なる食物、食糧の一つではなく、独特な地位に在る。
近代以前は、米は貨幣に優先して、経済流通の要であった。大名、武士達の収入は石高といって、どれだけの米の収獲があったかを示すのです。米の量の多寡が経済力、富の力を決めていくのだ。
では何故米にそんな力があるのか。「日本書記」には、天照大神がニニギノミコトに「吾が高天原に所御す斎庭の穂を以て、亦吾が児に御せまつるべし」とある。つまり、高天原の神々へ捧げる為の神聖な稲穂を作る田んぼで出来た穂を与えるので、これを地上で育てて主食とさせ国民を養さない」という意味である。お米は天照大神からの贈り物なのです。